初期の宇多田ヒカルに多大なる影響を与えたビッグプロデューサーの存在

初期の宇多田ヒカルに多大なる影響を与えたビッグプロデューサーの存在

【前回記事】

宇多田ヒカルの天才的音楽感性

【十代の多感な時期に迎えた全米ビッグプロデューサー】

第2の衝撃は翌年の秋のことでした。
全米NO.1プロデューサーと言われるJam&Lewisと組んで
『Addicted to you』という曲をリリースします。

当時ブラックミュージックにて流行の
チキチキなるサウンドを取り入れて来たこの曲は、
本場の感覚から来たものであるが故に果たして
日本受けはどうなのかと言うところでしたが、
チキチキが日本を圧巻するということはありませんでした。

ここで一つ、
「チキチキ」はTimbalandというプロデューサーが広めたものであり、
Jam&Lewisが得意とするものではありません。

それにもかかわらず彼女が
チキチキを選択したことについてです。

確かにここ日本では斬新ではありました。
既に天才アーティストと知れ渡っている彼女ですから、
全米での流行を日本にもたらす上でも効果的とは言えます。

ただ折角世界的名プロデューサーJam&Lewisと組むというのに、
彼らの得意とするテイストとはかけ離れたその曲調に、
幾ら16歳の女の子とは言え頭脳明晰な彼女に
そのギャップは感じなかったのでしょうか。

やはりプロデューサーの得意とする
楽曲制作を行うべきではあります。

またチキチキが彼女らしいかというと、
個人的にはそうであると思ってはおりません。

結論として疑問の残る一曲でした。

 

ところがその翌年、見事にやってくれました。

『Wait&See~リスク~』と言う楽曲は
文句の付け所がありませんでした。

この楽曲のMVは
テレビ朝日『ミュージックステーション』にて
フル公開され話題を呼びました。

その時の衝撃は今でも忘れません。

しっかりとJam&Lewis色を全面に出したemotionalなTrack、
彼女の歌唱が活かされた繊細なフレーズ遣い、豪華絢爛なMV、
あまりに贅沢な内容と感じ果てた暁のラストの転調で、
まだ魅せてくれるのかと。

そして更に高みを増したビジュアルに拍手を送りたい想いでした。

続くシングル『For You』のカップリング
『タイムリミット』では、当時波に乗っていた
若手プロデューサーRodney Jerkinsを迎え、
得意の本格的R&B色たっぷりに仕上げた
ミディアムチューンを披露してくれました。

続く『Can you keep a Secret?』ですが、この楽曲は当時流行していたJanet Jackson『Doesn’t Really Matter』のcodeを踏襲するものでした。

何を隠そうJanetと言えばJam&Lewisです。

この時Janetと長年タッグを組み続けていた
プロデューサーJam&Lewisの名前は
クレジットにはありませんでしたが、
取り分け大衆受けの良いPOPなTrackを
提供していたJanetの楽曲の中でも極めて
メロディー重視のキャッチーな曲調で、
日本でも島谷ひとみが『パピヨン』という
タイトルにてcoverをしていましたね。

まだデビュー後間もない十代の頃に
あまりにビッグなプロデューサーを迎え
経験を積んだ宇多田の音楽性は、
確実にその後のキャリアの土台となって
積み重ね上げられていきました。

次に続きます。

出典:Hikaru Utada Official YouTube Channel

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