R&Bの枠を飛び越えて深みを増した宇多田ヒカルの表現力

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宇多田ヒカルの天才的音楽感性

初期の宇多田ヒカルに多大なる影響を与えたビッグプロデューサーの存在

【『COLORS』そして全米デビューを経て…】

Jam&Lewisとのタッグを経て
益々高みを増した宇多田ヒカルの音楽性は、
R&Bの枠を飛び越えて普遍性のある
POPSへと進化していき、
更に表現力を開花させました。

2000年代初期で言うと、
個人的には『Traveling』『桜ドロップス』辺りが
秀作だと思っていますが、
一番の衝撃は2003年の『COLORS』という楽曲。

メッセージ性の高い詞と
それに伴った重厚感のあるサウンドプロダクション。
MVはほぼ白と黒の世界に統一され、
唯一本人のみが「赤」のワンピースを
身に纏い歌う姿は、
決して曲に派手さがあるわけではありませんが、
静かに、そして厳かに、
内に秘めた情熱を持っていました。

2004年はUtada名義のアルバム
『EXODUS』にて全米デビュー。

Jam&Lewis、Rodney Jarkinsに続き
アメリカブラックミュージック界の
名プロデューサーTimbalandを迎え制作、
楽曲『Exodus ’04』はTimbaらしい
東洋的なTrackに宇多田ならではの
emotionalなメロディーが新鮮で、
これまでの海外プロデューサーとの
タッグの経験が活きているからこそ、
大変素晴らしい出来でした。

国内では『COLORS』リリース後は
結婚生活のためかあまり多くの活動をしておらず、
個人的には2007年までにリリースした
何枚かのシングルは全て内省的に感じています。

この少し陰を感じる表現が解消されたのが2007年、
皮肉にも当時のパートナーとの離婚発表の前に
リリースされた『Flavor of Life』でした。

この曲はドラマに起用され大ヒットとなりましたが、
見事に以前の宇多田らしさを感じさせる
温かみのある作風で、
その後も勢いは
『エヴァンゲリオン新劇場版:序』テーマとなった
『Beautiful World』から、

『HEART STATION』

『Prisoner of Love』と続いていきます。

出典:Hikaru Utada Official YouTube Channel

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